みなさん、こんにちは! 元東証一部上場経理マネージャーのエクスです。
ブログ再開第2弾!今回も直近で話題をさらった決算を「ガブガブ」と噛み砕いていきますよー!
今回のターゲットは、2024年末の上場からとんでもない大バケを見せている日本の半導体エース、キオクシアホールディングス(285A)です。
2026年5月15日に発表された2026年3月期決算が、もう「計算機が壊れたのか?」と思うレベルの凄まじい数字でした。早速見ていきましょう!
AIバブルのど真ん中!初の売上2兆円突破&過去最高益
まずは、度肝を抜かれた業績ハイライトからです。
- 2026年3月期 通期売上高:2兆3,376億円(前期比37.0%増)
- 2026年3月期 営業利益:8,704億円(同92.7%増)
- 直近1〜3月期単体 営業利益:5,968億円(前年同期比なんと16.1倍!)
引用リンク:キオクシアホールディングス 株主・投資家情報
売上が初の2兆円を突破!そして一番ヤバいのが、直近の1〜3月期(第4四半期)の利益の伸びです。前年同期比16倍って、ちょっと意味がわからないレベルですよね。
この背景にあるのは、皆さんもご存知の「生成AI」の爆発的な普及です。AIを動かすデータセンターには大量のデータを保存するストレージ(NAND型フラッシュメモリやSSD)が必要不可欠。キオクシアはこの「AI特需」の巨大な波に完全に乗りました。
経理目線で噛み砕く!なぜ利益が「16倍」にもなるの?
ここで経理マンの血が騒ぎます。直近1〜3月期の売上は前年比「2.9倍」に拡大しました。これ自体も凄いですが、なぜ売上が2.9倍なのに、利益は「16倍」も跳ね上がるのでしょうか?
実はここには、半導体メーカー特有の「コスト構造」が隠されています。
半導体の工場は、建設や最先端の製造装置の導入に何千億円という莫大なお金がかかります。経理的には、これが「巨額の減価償却費(固定費)」として毎月ドスンと重くのしかかってきます。 つまり、工場を維持しているだけで巨額のコストがかかるため、市況が悪化して売上が減るとあっという間に大赤字に転落します。
しかし、ひとたび需要が爆発し、工場の稼働率が上がって「損益分岐点(売上とコストがトントンになるライン)」を超えると、世界が一変します。
固定費(減価償却費など)の回収はすでに終わっているため、そこから先に追加で作って売れた製品の利益は、ほぼそのまま営業利益として100%乗っかってくるんです。これを経理用語で「限界利益」の寄与と呼んだり、「営業レバレッジが効いている」と言ったりします。
さらに今はAI特需でメモリが飛ぶように売れ、製品の「単価の引き上げ」にも成功しています。 「損益分岐点突破後の高い限界利益率 × 製品単価の上昇」 これが合わさった結果、売上の増加幅をはるかに超える「利益16倍」という魔法のような数字が叩き出されたわけです。
前回のRIZAPの解説とも少し似ていますが、巨額の設備投資を伴う製造業のスケールになると、その破壊力が段違いですね!
さらに飛び出したサプライズ!米国上場準備と今後の見通し
今回の決算発表では、数字以外にも大きなニュースが飛び出しました。 なんと、米国預託株式(ADS)の米国の証券取引所への上場準備を進めていると発表されたんです。
AIブームの中心地であるアメリカの市場に上場することで、さらなる資金調達や知名度アップを狙う超強気の姿勢が見えます。
そして極めつけは、同時に発表された2026年4~6月期の業績予想です。 なんと、純利益が前年同期比「約48倍の8,690億円」になる見通しだと発表しました。たった3ヶ月で8,000億円超えです。一部報道では2026年分のSSD生産枠はすでに「完売状態」とも言われており、当面はこの無双状態が続きそうです。
まとめ:ボラティリティには注意しつつも大注目のエース!
キオクシアの決算、いかがでしたでしょうか?
- AI特需による圧倒的な追い風(売上2兆円突破)
- 固定費回収後の凄まじい利益創出力(利益16倍のカラクリ)
- 米国上場準備という次なる一手
半導体メモリは市況によって業績が激しく上下する(ボラティリティが高い)業界ではありますが、経理目線で見ても今の「利益を量産する体制」は圧倒的です。無借金化や、今後の株主還元(配当実施など)への期待も高まりますね。
日本が世界に誇る半導体メーカーの快進撃、これからもガブガブと決算を追っていきたいと思います!
それではまた次回!エクスでした。

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