みなさん、おはようございます!元上場企業経理マネージャーのエクスです。
先週末金曜日(2026年6月26日)に私たちが目撃したのは、前日比 3,005円安(一時 3,726円安)という、日本の株式市場の歴史に刻まれるレベルの大暴落でした。
週明け本日(6月29日)の現物市場は、前週末比 249円高の 69,609円88銭と小幅に反発して寄り付いたものの、直後に寄与度の高いAI・半導体関連株への売りが再燃。一時は 1,363円安の 67,997円57銭まで急落し、約14日ぶりとなる6万8,000円の大台を割り込むなど、依然として緊迫した売り圧力が続いています。
「せっかくマイクロンが驚異的な高決算を発表したのに、なぜ日本株がストップ安級に売られたのか?」 「日経平均が3,000円も下がったのに、実は値下がりより値上がり銘柄の方が多かったという怪現象の正体とは?」
この暴落の裏側にある「不都合な真実」を、最新のマーケットデータと経理のロジックでガブガブっと噛み砕いて解説します!
1. 【データで確認】先週末の暴落実績と本日(6月29日)午前の急変動
まずは直近の主要指標の確定数値と、本日の朝時点の動きを整理します。
■ 先週末(6月26日)の確定データ
- 日経平均株価(現物終値): 69,360.88円(前日比 3,005.46円安 / 歴代3位の下げ幅)
- 一時最安値(12時38分): 68,639.84円(一時 3,726.50円安まで急落)
- 東証プライム騰落数: 値上がり 915銘柄 / 値下がり 613銘柄(値上がりの方が多い!)
- ドル円相場: 1ドル = 161円70銭前後(1986年来の歴史的円安水準)
■ 本日(6月29日)午前の寄り付き・取引状況
- 日経平均株価(現物寄り付き): 69,609.88円(前週末比 249.00円高と小幅反発でスタート)
- 取引開始後の急変(9時38分現在): 寄り付き後にマイナス転換し、一時 1,363.31円安の 67,997.57円まで急落。心理的節目である6万8,000円の大台を一時割り込む非常に神経質な展開。
先週末の3,005円安という大暴落の後、市場は自律反発を試みましたが、キオクシアやフジクラ、アドバンテストといったAI・半導体本命株への警戒感が根強く、週明けも下値を探る波乱含みのスタートとなっています。
2. 暴落の主犯:マイクロン高決算なのに「半導体売り」のパラドックス
先週末の日本市場を襲った暴落の直接の引き金は、前日(6月25日)の米国市場における「2極化(セクターローテーション)」でした。
半導体メモリ大手のマイクロン・テクノロジー(MU)が売上高4.5倍、利益15倍という驚異的な爆益決算を発表したにもかかわらず、米国市場の引けにかけてハイテク株比率の高いナスダック指数は4日続落となりました。
なぜ好決算で売られたのか?(事実上の出尽くしとローテーション)
機関投資家などの超大口マネーは、マイクロンの決算そのものは大絶賛したものの、「すでにAI半導体の超グロース路線は、これまでの急激な株価上昇で織り込み済みである」と判断しました。
結果として、利益が大きく乗っているハイテク株を一度キャッシュアウト(利益確定売り)し、出遅れていた金融株やエネルギー関連、その他製品などの「バリュー(割安)株」へ資金を移す「セクターローテーション(資金シフト)」を急激に行いました。
この米国の「ハイテク売り」の津波が金曜日の日本市場に直撃し、これまで日経平均を猛烈に牽引してきた以下の値がさ半導体・AI株に利益確定売りが殺到したのです。
- アドバンテスト(6857)
- ソフトバンクグループ(9984)
- キオクシアホールディングス(285A)
3. 指数暴落なのに「値上がり銘柄数」が多い怪現象の正体
先週末の暴落において、経理・財務的に最も注目すべきは以下のデータです。
- 日経平均の下げ幅: 3,005円安(大暴落)
- 東証プライムの値上がり銘柄数: 915銘柄
- 東証プライムの値下がり銘柄数: 613銘柄
普通、日経平均が3,000円も暴落すれば、市場のほとんどの株が全面安(全滅)になるはずです。しかし実際には、値下がりした銘柄よりも、値上がりした銘柄の方が300社以上も多かったのです。
ここに、日経平均という指数の「歪み(一部銘柄への偏り)」があります。
原因は「値がさ株」の寄与度の高さ
日経平均株価は、市場全体の単純な時価総額の合計ではなく、「みなし株価」をベースにした平均値です。そのため、1株の値段が非常に高い「値がさ株(東京エレクトロンやアドバンテストなどの半導体関連)」の株価が10%下がるだけで、指数全体を1,000円以上も引きずり下ろす構造を持っています。
つまり、先週末に起きたことの本質はこうです。
【日経平均の暴落(3,005円安) = 一部の超高額半導体株の急落 + 幅広い中小・バリュー株への買い(資金流入)】
ハイテク株を売って得た資金が、保険、その他製品、サービスといったインフレや金利上昇局面で強いバリューセクターに綺麗に流れたため、個別銘柄で見れば「実は上がっている会社の方が多かった」という、健全な資金シフトが行われていたのです。
4. 追い打ちをかけたマクロ要因:インフレ高止まりと「日銀利上げ警戒」
個別株の需給だけでなく、為替とマクロ指標の動きも投資家マインドの冷え込みに追い打ちをかけています。
- 為替161円台後半: 日米金利差から為替は1ドル=161円台後半という1986年以来の歴史的円安水準を記録。これは「輸入物価のさらなる上昇(インフレの長期化)」を意味します。
- 日銀利上げ警戒: インフレ圧力が強いままで円安が歯止めなく進むことで、市場では「日銀は7月の金融政策決定会合で、国債買い入れ減額だけでなく、ゼロ金利からの追加利上げに踏み切らざるを得ないのではないか」という警戒感が強まりました。
経理マネージャーの目:割引率の上昇がグロース株に与える打撃
利上げ(金利上昇)は、半導体などの成長株(グロース株)にとっては、将来の利益に対する割引率が上がるため、財務(バリュエーション)上の逆風になります。この金利上昇警戒が、半導体株売りの背中を強く押した形です。
5. 結論:ボラティリティ相場にどう構えるべきか?
先週末の3,005円安、そして本日午前の急激な下値模索と、非常に荒々しい値動きが続いています。しかし、この急落プロセスを冷静に分解すれば、今後の戦略はクリアに見えてきます。
① AI・半導体の「実需」は1ミリも壊れていない
マイクロンが証明した通り、生成AI向けの実需(HBMや大容量SSDの不足)は狂暴なまでの爆益を生み出し続けています。今回の下げは、あくまで「急ピッチで上がりすぎた期待値の健全な調整」です。1Q決算で「驚異的な進捗」を見せれば、本命株は再び上昇エネルギーを蓄えます。
② ポートフォリオの「バリュー分散」
市場全体の資金が、ハイテク一辺倒からバリュー株(金融やその他製品など)にローテーションしています。ポートフォリオを半導体一色にするのではなく、こうした「金利上昇局面でPLの利益が厚くなるバリュー株」を一部組み込んでおくことが、BS(資産全体)のクッションとして有効です。
③ 予備のキャッシュポジション(弾薬)の確保
為替161円台後半は、いつ財務省による覆面介入が入ってもおかしくない水準です。介入が入れば一時的な急激な円高になり、輸出関連株は一時的に売られます。1Q決算が始まる7月に向けて、キャッシュポジションをある程度確保(15〜20%程度)し、不測の事態(急な円高急落など)が起きた際に「極上の押し目買い」ができる準備をしておくのが、最も経理規律にかなった戦略です。
市場が動揺しているときこそ、表面的なニュースの文字ヅラではなく、その裏にある資金の移動(誰が何を売り、何を買ったか)を冷静に追っていきましょう!


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